入れすぎ、を考える

最近ヒアルロン酸の入れすぎ、というワードをよく見聞きします。

注入治療をリスペクトしている私としてはなんともモヤモヤする言葉、そこで自分の考えを書いてみることにしました。

まず入れすぎと考えられる場合はこの2つです。

1.患者さんの目標以上に注入した
(例 -2,3歳で良かったのに-10歳の若返り)

2.明らかに顔の中の年齢感がアンバランスになった
(例 ほうれい線の薄さは20代、その他の部分は40代)

わかりやすくするためかなり大げさな例です。

1.は間違いなく入れすぎです。

数本で十分だったのに10本以上注入し若返りすぎてしまったとしたら、たとえキレイになったとしても、患者さんは

「バレないように治療して欲しかったのに!」

と思うでしょう。お金だってかかります。

では2.はどうでしょうか。

ほうれい線だけをしっかり治療した場合です。

患者さんはほうれい線を薄くしたいとは言ったけど、

『なんか違う』と思うでしょう。

なぜなら『ほうれい線を薄くしたい』

の言葉の裏には

『ほうれい線が薄かった頃の顔に戻りたい』

という気持ちがあるからです。

そのころはほうれい線も薄いですが、当然他の部分も今より若いです

頬の高さや丸み、フェイスライン、こめかみなど今よりやせやたるみが少ない状態です。

その部分を放っておいてほうれい線だけ治療しても

『なんか違う、入れすぎちゃった』

となります。

 今入れすぎと言われている事例はこのパターンが多いのではないでしょうか。

私も以前はほうれい線が気になると言われたら、ほうれい線だけに注入していました。不自然なほど多く入れることはなかったにしても局所的な治療をしていました。

でも、MD codesを知ってから変わりました。MD codesは若返りと美を目的に、効率的に安全に注入するためのメソッドです。

一朝一夕では身につきませんが、これを使えばどんな年齢のどんな顔立ちの方もナチュラルに整い若返ります。

MD codesを使ったほうれい線治療では、まず頬骨弓や頬の皮下のポイントを使って輪郭治療を行い、その上で輪郭治療を超えない程度にほうれい線に注入します。

すると、皮膚にテンションがかかってリフトアップし、ほうれい線もナチュラルに薄くなります。

この方法では局所に頼らなくても良いので入れすぎになることもありません。

MD codesがもっと広まり、日本中どこに行っても治療が受けられるようになるといいなと思います。
注入治療は学べば誰でも出来るようになる再現性の高い技術です。
是非大勢の先生方に知っていただきたいです。

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この記事を書いた人

前原順子のアバター 前原順子 産婦人科専門医

1998年名古屋市立大学医学部卒業。産婦人科専門医。名古屋市立大学病院、公立陶生病院等で産婦人科診療に従事。2010年より前原外科・整形外科にて注入治療を始める。現在は婦人科医、注入治療医として複数のクリニックに勤務。二男一女の母。

ヒアルロン酸、ボトックスの注入治療を行なっています。注入治療により、大きく顔立ちを変えることなくお顔全体をバランスよく若返らせることができます。婦人科医として年齢サインに悩む女性の心を勇気付けたい、その方法の一つを注入治療と考えています。

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