ここぞという日のために

急に肌寒くなりました。

そろそろ温かいものが恋しくなる季節ですね。

今日は婦人科外来でよくある相談についてです。

「生理痛を楽にしたいんです。〇〇があるので」
「生理前に毎月調子が悪いのをなんとかしたいんです。△△があるので」
〇〇や△△に入るのは
受験やスポーツの大会、留学など。

大事な日に備えて月経にまつわる辛さを取りたいと婦人科を受診する人は以前より増えています。

低用量ピルが避妊だけでなく月経の諸症状を楽にしてくれるもの、という認識が広まってきたのは嬉しいことです。

日常生活向上のために

私も若いころ内服していました。

手術中に気分が悪くなったり仕事に差し支えることがあったためでしたが、経血量も痛みも減るし思った通りの日にピタリと出血があるし、生活の質の改善は劇的でした。当時は自費の低用量ピルしかありませんでしたがその後何年も内服していました。

 そして今は高校生の娘が保険適用のLEP製剤を内服しています。

体育会系の部活に所属していて、月経がパフォーマンスに影響しないようにしたいという目的で飲み始めました。
余程楽になったのでしょう、部活は引退しましたが内服し続けています。

つまりこうした薬剤は仕事やスポーツのパフォーマンスを改善してくれますが、日常生活の質も上げてくれるのです。

月経痛や経血量、月経前の症状は軽いとか重いとかでなく、「ある」のなら治療の対象になります。

ですから

大事なイベントを控えている皆さん、

是非早めに内服を始めて薬に慣れてから大切な日を迎えられるようにしてください。

そして特にイベントがない方も月経の症状で少しでも困っているのならこうした薬剤を内服するのはアリです。

低用量ピルは特別な人のための薬ではありません。

ここぞという日のためのモノは

さもない毎日を快適にしてくれるモノでもあります。

ちなみに低用量ピルは

避妊目的で自費処方のOC(Oral Contraceptives)と
月経困難症や月経前症候群などの治療目的で保険で処方されるLEP製剤(Low dose Estrogen Progestin)
に分けられます。

どちらもエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが入っていて月経にまつわる症状を改善してくれます。入っているホルモンの種類や量が微妙に異なるなど違いはありますが、根本的には同じものです。

もう一つ月経にまつわる症状を改善してくれる薬剤としてプロゲスチン製剤もありこれも保険適用されています。

それぞれ特徴があり患者さんと相談して決めています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

前原順子のアバター 前原順子 産婦人科専門医

1998年名古屋市立大学医学部卒業。産婦人科専門医。名古屋市立大学病院、公立陶生病院等で産婦人科診療に従事。2010年より前原外科・整形外科にて注入治療を始める。現在は婦人科医、注入治療医として複数のクリニックに勤務。二男一女の母。

ヒアルロン酸、ボトックスの注入治療を行なっています。注入治療により、大きく顔立ちを変えることなくお顔全体をバランスよく若返らせることができます。婦人科医として年齢サインに悩む女性の心を勇気付けたい、その方法の一つを注入治療と考えています。

目次
閉じる