更年期のセルフケア 実はとっても大事な睡眠の話

前々回はざっくりと更年期について

前回は更年期症状についてお伝えしました。

今日は健やかな更年期のために自分でできることについてお話しようと思います。

といっても特別なことではなく、

一言で言えば良い生活習慣を継続するということです。

バランスの取れた食事、十分な睡眠、運動習慣

この三つをコツコツ継続することが心身の健康や長寿のために大切だということは皆さんご承知のことと思います。

健やかな更年期のためにもやはりこの三つは重要です。

中でも特に大事にしたいのは睡眠です。

更年期は睡眠障害が出やすくなります。女性ホルモンの低下により自律神経の不調が起きたりメラトニンという睡眠ホルモンの分泌が減るためと考えられます。

睡眠障害には、

なかなか寝付けなかったり(入眠困難)、

夜中に何度も目覚めたり(中途覚醒)、

早く目覚めてその後眠れない(早朝覚醒)

があります。

この中で更年期に多いのは中途覚醒です。

睡眠障害はメンタルの不調や免疫力の低下だけでなく糖尿病や高血圧など生活習慣病の発症にも関わっています。

また睡眠不足はダイエットの大敵でもあります。

睡眠時間が短くなると

食欲を抑制するレプチンというホルモンが減り

食欲を増進させるグレリンというホルモンが増えるため

太りやすくなるのです。

ぐっすり眠れない状態が続くとこんなに色々な影響があります。

女性は家族で一番に起きて夜は寝るのが最後になるという生活パターンになりやすいですが、睡眠時間を確保することは自分を大切にする第一歩です。

できる事がないか生活を見直してみましょう。

良い睡眠のためにできること

  • 夕方以降は明るい光を浴びない。寝る前にスマホやパソコンなどブルーライトを見るのを避ける。就寝中は部屋の明かりを消す。
  • お風呂は寝る1−2時間前に。入浴で上がった深部体温が下がる頃眠気が出ます。リラックスできる香りの入浴剤を使うのもおすすめ。
  • 運動するなら夕食前に。運動すると交感神経が刺激され眠気が覚めてしまいます。
  • 夜はリラックスして過ごす。頭を使う作業はなるべく早い時間に済ませる。

ベストの睡眠時間については様々な報告がありますが、約7時間が最も健康に良いと言われています。

どうしても難しい時は、

日中眠くなったら我慢せず30分以内の仮眠を取る事や

少し短くても熟睡できるように生活環境を整えましょう。

女性の節目である更年期をうまく乗り越えていくことがその後の健康や長生きに繋がります。 今まで睡眠時間短めで頑張っていた方、そろそろシフトチェンジしましょうか。

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この記事を書いた人

前原順子のアバター 前原順子 産婦人科専門医

1998年名古屋市立大学医学部卒業。産婦人科専門医。名古屋市立大学病院、公立陶生病院等で産婦人科診療に従事。2010年より前原外科・整形外科にて注入治療を始める。現在は婦人科医、注入治療医として複数のクリニックに勤務。二男一女の母。

ヒアルロン酸、ボトックスの注入治療を行なっています。注入治療により、大きく顔立ちを変えることなくお顔全体をバランスよく若返らせることができます。婦人科医として年齢サインに悩む女性の心を勇気付けたい、その方法の一つを注入治療と考えています。

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