健やかな更年期のために自分でできることをお話してきました。
睡眠、食事と続いて今日は運動についてです。
みなさん、運動は好きですか?
体を動かすのは好きじゃない、苦手意識があるという方もいるかもしれません。
何はともあれ、まず医学的に証明されている「運動の健康効果」を見てみましょう。
運動には様々な健康効果があります。
1.ダイエット効果
筋トレで筋力をつけると基礎代謝が上がり太りにくくなります。
ジョギングや水泳などの有酸素運動は脂肪や糖質を燃焼させ体脂肪を減量させます。
2.生活習慣病の予防・改善
運動時は筋肉がエネルギーである糖を必要とします。
そのため、運動すると血液中の糖が消費され血糖値が下がります。
筋トレでも有酸素運動でもどちらも血糖値を下げる効果があります。
運動は血圧を一時的に上昇させますが、その後血管内皮から一酸化窒素(NO)が分泌され、その血管拡張作用により血圧は低下していきます。
運動した一日だけを見ても、長期的な数週間から数ヶ月の間でも血圧を下げる効果があります。
定期的な有酸素運動が拡張期血圧(下の血圧)を低下させるという報告は多くあります。
有酸素運動は糖だけでなく中性脂肪も消費するため、定期的に有酸素運動を行うと中性脂肪の値が低下します。
また体内で過剰となったLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を回収するHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させます。
つまり運動は善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを下げます。
有酸素運動だけでなく筋トレも同様に、体内の脂肪を分解し血中の善玉コレステロールを増加させ悪玉コレステロールを低下させる効果があります。
まとめると、
定期的な有酸素運動は血糖値、血圧、血中脂質(中性脂肪、LDLコレステロール)を下げ
筋トレは血糖値や血中脂質(中性脂肪、LDLコレステロール)を下げます。
3.骨粗鬆症予防効果
カルシウム、ビタミンDなどの栄養素と共に骨刺激のある運動が骨粗鬆症予防に効果的です。
骨刺激のある運動とは、ウオーキング、ジョギング、筋トレなど重力がかかる運動です。水泳は骨刺激になりません。
4.リフレッシュ効果
運動して気分がスッキリしたという経験は多くの方にあるのではないでしょうか。
運動するとコルチゾールというストレスホルモンの分泌が抑制され、逆に幸せホルモンと言われるβエンドルフィンやセロトニンといった脳内物質が放出されます。
身体を動かすことで、ストレスや不安が軽減し、気分が高揚したりリラックスするということは多くの研究でわかっています。
また運動による適度な疲労感は睡眠の質を高めます。
運動が心身の健康を改善するということはハッキリしています。
令和2年にWHO(世界保健機関)が公表した身体活動・坐位行動のガイドラインでは、
身体活動を実施することによって、循環器病、2型糖尿病、がんが予防され、うつや不安の症状が軽減されるとともに、思考力、学習力、総合的な幸福感を高められるとされています。
また全世界における死亡に対する危険因子として、高血圧、喫煙、高血糖に次いで運動不足は第4位につけています。
では具体的にどの程度の運動をしたら良いのでしょうか。
WHO(世界保健機関)が推奨している運動は、
自覚的に「きつい」と感じる中程度の有酸素運動を週に150分以上、またはスポーツやダッシュなど激しい運動を75分以上、です。
厚労省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」では
「成人は週に60分以上の有酸素運動、筋力トレーニングを週2−3日」ということです。
筋トレはウエイトを使ったトレーニングだけでなく自重で行う腕立て伏せやスクワットも含みます。
さて、ここまででなんだか重い気分になってしまった方もいるかもしれません。
「健康のために運動しましょう!」
という正しさに圧迫感を感じるような。
これらは一般論としてひとまずお伝えすることです。
健康も幸せも私たち一人ひとりの問題です。
運動に関しても
どうありたいのか
何を幸せと感じるのか
に合わせてやっていけばいいと思います。
医学的情報は一応横目で眺めておき
どんな運動なら楽しく続けられるかなあ
体力をつけて将来こんなことをしたいなあ
そんな風に考えたらワクワクしそうです。
今から運動するという方は、
ウォーキングやジョギング、水泳は有酸素運動の王道です。
他には、ヨガはリラックス効果もあるのでオススメですし
ダンスやテニス、ゴルフも楽しそうです。
家でできるストレッチや筋トレもいいですね。
ちなみに私は、
将来行ってみたい山がある、海外旅行もしたい
そんな夢があります。
みなさんは体力をつけて何がしたいですか?
やりたいことのためにちょっと頑張る
頑張るけど楽しく取り組む
そんな感じなら長続きできるような気がします。