形成外科

できもの(皮膚皮下腫瘍)

粉瘤(アテローム)

体中の何処にでも出来る良性の腫瘍です。半球状の固まりとして触れ、真ん中にやや黒っぽい開口部が見られることが多いです。皮膚の上皮成分(表皮や外毛根鞘)が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂が貯まってできた固まりです。内容物を排出しただけでは根治術とはなりませんので、袋ごと摘出します。縫合した後の傷を出来るだけ目立たなくするため、シワに沿わせた傷あとを作ります。

色素性母斑

いわゆる「ホクロ」です。生まれつきからあるものから、あとで出現することもあります。色素性母斑は母斑細胞が表皮と真皮の境目もしくは真皮の中に存在して、メラニン色素を作り出すために、褐色ないし黒色に見えます。ただホクロがいつのまにかできて次第に大きくなる、色の濃淡がある、形状が左右対称でない、境界が不明瞭、傷ができて治らない、などの所見は悪性化の可能性があるため、早めに皮膚科や形成外科を受診してください。

直径数ミリまでの小さなほくろはレーザー(炭酸ガスレーザー・ヤグレーザーなど)でほくろ全体を焼き取ります。傷あともほとんど目立ちません。直径数ミリ以上の場合は紡錘形に切除して縫い合わせる方法が一般的です。さらに大きい場合は、2、3回に分けて少しずつ切り取って縫い寄せる方法もあります。

縫い寄せるのが難しい場合、周囲の皮膚を移動(局所皮弁)して傷をふさぐこともあります。

脂肪腫

脂肪腫は、皮下に発生する軟部組織の腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。脂肪腫には、皮下組織に見られる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間に見られる深在性脂肪腫があります。

診断は、臨床症状と、画像検査で行います。区別を要する疾患として、皮膚由来の嚢腫や軟部組織の肉腫(悪性腫瘍)などがあります。良性・悪性によって、手術の計画が異なるため、当院では、術前MRI検査を行い、放射線科医による画像診断を行うことで、より最適な治療方針を提案します。

石灰化上皮腫

石灰化上皮腫とはその名の通り皮膚の一部が石灰のように硬くなる良性の皮下腫瘍の一つです。毛母腫(pilomatorixoma)という別名が現すように毛根に存在する毛母細胞を起源とする腫瘍です。

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