股関節唇損傷
股関節にある「関節唇」と呼ばれる線維軟骨が損傷することにより発症します。
スポーツで激しく股関節を動かす(屈曲や外転)ことが原因となるケースが多くありますが、稀に生まれつき骨盤と臼蓋がうまくかみ合わない臼蓋形成不全症により発症する例もあります。
症状
初期は歩行時に違和感を感じる程度ですが、徐々にしゃがむ、階段を昇る、長くイスに座るなど股関節を深く曲げる状態時に痛みを覚えるようになります。
スポーツをされる方だと、走る、ジャンプ、捻る、スタート、ストップなどの動作により症状が悪化し、痛みが増していきます。
保存療法
消炎鎮痛薬の内服や約3カ月間のリハビリテーションによる保存療法を行います。
手術療法
股関節鏡下手術
保存療法で症状が改善しない場合、股関節鏡視下手術を行うことも可能です。
大腿の外側2〜3箇所に約1cmほどの小さな穴をあけ、関節唇を臼蓋に縫合し、関節唇の形を整えたり縫合したりします。関節唇がなくなっている場合は、大腿筋膜張筋で再建します。手術時間は約1時間で、全身麻酔にて行います。