半月板損傷
半月板損傷とは、膝にある半月板と呼ばれるクッションが、外傷・老化等により損傷、断裂してしまう疾患のことです。
半月板は、大腿骨と脛骨の間にある軟骨で、その名の通り三日月形をしており、膝にかかる負担を吸収したり、膝の安定性を確保するという役割を持っています。若年者の場合は運動時の急激な負荷により損傷する場合がほとんどですが、高齢者では半月板の老化により損傷する場合があります。
症状
半月板の損傷が小さい場合には、特に自覚症状はみられません。何度も損傷を繰り返し、だんだん損傷が大きくなった場合、膝を動かしたときに痛みや腫れが出現したり、断裂した半月板が関節に挟まってしまい急に膝が動かせなくなる(ロッキング現象)という症状が現れます。また、損傷してしまった当日は腫れることは少なく関節に痛みを感じる程度ですが、翌日以降になってから腫れが出てきたり、膝が思うように動かせなくなったりするケースが多いです。
保存療法
鎮痛剤や装具による固定、リハビリテーションを行います。
手術療法
関節鏡下手術
全身麻酔、もしくは腰椎麻酔をかけて行います。膝の前方2カ所に約2cmほどの穴を開け、細いカメラを挿入し、目で半月板の状態を確認しながら傷んでしまった部分を切除又は縫合し、形を整えていきます。傷口が非常に小さくすむことから術後の回復も早く、体への負担が少ないため、本院では2日間(1泊2日)の入院で行っております。
リスク
関節の変形や筋力、スポーツ能力低下の原因になることがあります。
リハビリテーション
- 痛みが強い場合は、松葉杖を利用して足をつくのをやめ、安静にします。
- 痛みの状態を見ながら、股関節・足関節・体幹の筋力や可動域を改善して、膝への負担を減らしていきます。
- 半月板自体の動きも、リハビリにより改善させていきます。
- スポーツ独自の動作をチェックして、問題がなければ競技に復帰します。
※ 復帰までの期間は損傷の度合いにより異なります。詳しくは、医師・理学療法士にお尋ねください。
※ 必要があれば足底挿板の作成やテーピング指導を行います。